アラビア砂漠のセンターピボット | Green dots in Arabian Desert




ちょっと前に、"グーグル・アースが捉えた地球上の変遷"という記事を書いている時、Google Earthで地球上を眺めていると、アラビア半島の真ん中あたりの都市、ブライダ近辺に緑色のドットを沢山見つけました。街から北西に向かうとさらに密集した土地があります。その時はサウジアラビアなので石油の施設か何かだろう…と思っていました。




この砂漠のミステリーサークルに見えたものは、センターピボットと呼ばれる砂漠の地下にある2万年前の化石帯水層から水を汲み上げて作られた灌漑農業の円形農地で、直径は約1.6kmあります。

サウジアラビアには河川がなく、降水量も毎年数センチしかないので、現在の地下水使用率のままでは2040年までに地下水が枯渇する問題を抱えています。段階的に小麦の生産は減らされ、2016年までにこの農法は廃止される予定で、緑色のドットはまた元の砂漠に戻ります。

今後のサウジアラビアの水のプロジェクトには水資源が豊富で高い技術を持つ国、日本が協力することになっています。日本では『水とお茶はタダ』という認識がありますが、砂漠の国サウジアラビアではガソリンより飲料水の方が価値が高いのです。



一方、こちらは首都リヤドにあるアブドラ国王石油調査研究センター(KAPSARC)。エネルギー効率、経済性、および環境に焦点をあてた研究を行う非営利団体。所有地内では国内で地上最大の太陽光発電プロジェクトも進行しています。




サウジアラビアは王国なので、内閣もなければ税金もありません。法律はクルアーン(イスラーム法)に基づいています。古代から変わらず、ゆるやかな暮らしを続けている民族が世界を動かすオイルを所有している。そして、砂漠の北にはISISの要衝と、現代でもアラビア半島周辺には世界を巻き込むだけのエネルギーの源があるような気がします。


アブドラ国王石油調査研究センター(建築:ザハ・ハディド)








iPhone向けの壁紙サイト。画像はNASAAirbus Defence and Spaceの衛星写真から、画像サイズをiPhone6+用に1242×2208ピクセルに変換してある。リサイズして他の端末にも使用可能。



http://eneken.ieej.or.jp/data/4397.pdf

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